次回メソ気象研究会のお知らせ
共催:東京大学大気海洋研究所
日時:2025年5月13日(火)(大会前日)13:30〜18:00
場所*:東大大気海洋研2階講堂アクセス
(千葉県柏市柏の葉5丁目1-5)
*) 現地開催、オンラインとハイブリッドで開催.詳細については本ホームページに掲載予定。
テーマ:「山田広幸博士追悼メソ気象研究会−メソ気象研究の遙かな旅路」
コンビーナー:金田幸恵,坪木和久(名大宇宙地球環境研),加藤輝之(気象研)
内容:
山田広幸博士は、日本のメソ気象研究を主として観測的アプローチからけん引してきた研究者である。本研究集会では、2024年10月、
研究者としての盛りで急逝した山田広幸博士の30余年にわたる業績を振り返る。山田博士は、2000年に北海道大学大学院理学研究科で
雪雲の発達過程に関する研究で博士号を取得した後、地球観測フロンティア研究システムと海洋研究開発機構でチベット高原・
揚子江流域の降水システムやインド洋のスーパークラウドクラスターの研究に取り組んだ。2012年、琉球大学に着任後は、学生の指導や
研究者の育成にも注力した。山田博士の研究対象は雪雲、梅雨前線、クラウドクラスター、台風、北は北海道、チベットを経て
中国・熱帯域まで多岐かつ広範にわたる。とりわけ観測をもとに自然現象の真の姿に迫ることに強くこだわり、気象レーダを用いた
台風の強度推定、航空機を用いた台風内部のドロップゾンデ観測、ラジオゾンデの高頻度観測等で貴重な成果をあげた。
近年は航空機による台風観測の第一人者として、複数の非常に強い台風の眼の貫通観測に成功し、まさにそれらを大きな成果として
まとめあげようという矢先に生涯を閉じた。本研究会では、山田博士と縁の深いシニア研究者から山田イズムの薫陶を受けた中堅や
若手まで幅広い世代の講演者をお招きし、観測研究の発展に大きな軌跡を残した業績を振り返りつつ、残された課題や、その業績研究を
今後いかに発展させていくかについて議論する。なお、本研究集会は日本気象学会のメソ気象研究連絡会と東京大学大気海洋研究所共同利用研究での研究集会との共催として行う。
プログラム:
13:30-13:45 「開会挨拶・趣旨説明」
13:45-14:15 上田 博(日本気象協会)「山田広幸さんが辿ったメソ気象学のわかれ道」
14:15-14:45 城岡竜一(海洋研究開発機構)「陸海空をかけめぐる研究者」
14:45-15:15 嶋田宇大(気象研)「地上ドップラーレーダーを用いた台風の強度推定〜信頼性の高い推定手法の確立を目指して〜」
休憩
15:45-16:15 坪木和久(名大ISEE/横浜国立大TRC)「山田広幸先生の台風の航空機観測」
16:15-16:45 伊藤耕介(京大防災研)「天の時・地の利・人の和」
16:45-17:15 清水慎吾(防災科研)「梅雨前線の起源を探る中国大陸でのレーダ観測の日々−山田さん流の探求と投影−」
17:15-18:00 「総合討論:メソ気象研究と観測の展望」
連絡先:金田幸恵(名大宇宙地球環境研)
E-mail:skanada@nagoya-u.jp(@は小文字にしてください)
最終更新:2025.3.16