日時:2017年10月29日(日)(大会前日)13:00〜17:00
場所:北海道大学学術交流会館小講堂(気象学会B会場)アクセス
(北海道札幌市北区 北8西5)
テーマ:「2016 年に東北・北海道へ上陸した台風とその気候学的意味」
コンビーナー:佐藤友徳(北海道大学)
内容:
記憶に新しい2016年の夏には,複数の台風が北日本に接近または上陸し,東北地方や北海道地方に甚大な被害をもたらしました.台風10号(Lionrock)は日本の東の太平洋上を北上したのち東北地方北部に上陸するという特徴的な経路をとりました.またこれと前後して,同年8月に
は僅か数日の期間に3個の台風が立て続けに北海道付近を通過し,記録的な降水量により多方面に及ぶ被害が生じています.このように2016年夏の台風はこれまでにない珍しい特徴を呈しており,観測データや過去の災害経験に基づいて計画されてきた従来の気象災害対策に対して,大きな転換の必要性を迫るきっかけとなりました.
本研究会では,このような特徴的な台風の挙動や災害をもたらした気象場の特徴を共有し,様々な視点から現象の理解を目指します.さらに,北海道や東北地方に極端な降水をもたらす台風の活動に対して,地球温暖化に伴う気候変動がどのように寄与するのかについて,データ解析や数値実験の結果をもとに議論します.また,気象学の研究で得られた知見を,どのように将来の災害対策へ活用すべきか議論します.
プログラム:
13:00-13:10 「開会挨拶・趣旨説明」
13:10-13:35 山田朋人(北海道大学)「2016年に北海道・東北を襲った台風の降水特性」
13:35-14:20 金田幸恵(名古屋大学)「擬似温暖化実験による2016年台風第7号およびそれにともなう雨の将来変化予測」
14:20-14:55 横井 覚(海洋研究開発機構)「台風通過頻度の統計解析からみた2016年台風」
休憩
15:10-15:45 筆保弘徳(横浜国立大学)「2016年台風発生環境場と台風ハザードマップ」
15:45-16:20 時岡真治((北海道開発局)「北海道地方における気候変動予測を踏まえた超過洪水対策の取組」
16:20-16:50 総合討論
連絡先:坪木和久(名古屋大学宇宙地球環境研究所)
E-mail:tsuboki@nagoya-u.jp(@は小文字にしてください)