昨年度の気象学会春季大会(5月19-21日)の現地会場での開催が中止されたのに伴い延期になっていた研究会です.
日時:2021年5月17日(月)(大会前日)13:00〜17:15
テーマ:「甚大な災害をもらした2019年台風第15号と第
19号の実態に迫る」
コンビーナー:柳瀬 亘(気象研), 宮本佳明(慶應義塾大), 加藤輝之(気象研),益子 渉(気象研)
内容:
内容:2019年9月9日に千葉市付近に上陸した台風第15号は,ベストトラックデータとして上陸時の台風の強さの記録が始まった1991年以降において最も強い勢力で関東に上陸した台風となり,関東地方を中心に多くの地点で観測史上1位の最大風速・最大瞬間風速を記録しました.これにより,房総半島を中心に7万戸以上の住家被害や大規模停電が発生しました.また,台
風第19号は10月12日に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸し ,静岡県や新潟県,関東甲信地方,東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となり,総雨量は神奈川県箱根町で1000ミリに達しました.この東日本の広範囲における記録的な大雨により,河川の氾濫が相次いだほか,土砂災害や浸水害が発生し,死者・行方不明者は100名を超えました.
気象庁は,顕著な災害をもたらしたこれらの台風について,後世に経験や教訓を伝承することなどを目的に,台風第15 号については「令和元年房総半島台風」,台風第 19 号については「令和元年東日本台風」と名称を定めました.
今回は,メソ気象研究会と気象災害委員会の合同研究会として,台風第15号に伴う暴風と台風第19号に伴う大雨を取り上げ,台風自体の構造,暴風や大雨の発生要因,洪水予測について最新の知見を講演していただくことにしました.なお,本研究会は2020年5月23日に開催を予定していましたが,コロナウイルス感染拡大に伴い延期していました.
参加登録は5月13日(木)で締め切りさせていただきました.
プログラム:
13:00-13:10 「開会挨拶・趣旨説明」
13:10-13:35 筆保弘徳 (横浜国立大)「台風第15号の発生・発達環境場について」
13:35-14:00 宮本佳明(慶應義塾大)「台風第15号の強度・構造変化について」
14:00-14:25 益子 渉(気象研)「台風第15号に伴う暴風・突風の特徴」
14:25-15:50 竹見哲也(京大)「台風第19号による豪雨発生の環境条件:湿度条件の重要性」
休憩
15:05-15:30 三隅良平(防災科研)「Xバンド偏波レーダを用いた台風第19号に伴う大雨の解析」
15:30-15:55 荒木健太郎(気象研)「台風第19号による大雨の降水強化メカニズムの数値シミュレーション」
15:55-16:20 柳瀬 亘(気象研)「台風第19号の非対称な降水分布:中緯度プロセスの影響」
16:20-16:45 日比野研志(東大)「リアルタイム陸面・河川モニタリングシステムを用いた洪水予測」
16:45-17:15 「総合討論」
連絡先:加藤輝之(気象研)
E-mail:tkato@mri-jma.go.jp(@は小文字にしてください)
最終更新:2021.5.14