第44回メソ気象研究会

日時:2015年10月27日(火)(大会前日)13:30〜17:00
場所:キャンパスプラザ京都4F第3講義室 アクセス
(京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939)
テーマ:「最強の熱帯低気圧HaiyanとPam」
コンビーナー:坪木和久(名古屋大学地球水循環研究センター)

内容:
 今回のメソ気象研究会は、2013年 にフィリピンに上陸し大災害をもたらした台風Haiyanと2015年に南太平洋のバヌアツに甚大な被害をもたらしたサイクロン Pamに焦点をあてた。これらは記録に残る最強の低緯度の熱帯低気圧であるが、 日本に災害をもたらす台風と異なり日本では情報が少ない。しかしながら、低緯度の熱帯低気圧を知ることは、地上の最強の熱帯低気圧を知るという点で重要であるだけでなく、将来の温暖化気候における台風を知ることにもつながるという点で重要である。今回は最強の熱帯低気圧の“実態を知る”ことをテーマに、多様な分野の方々に講演をお願いした。
 気象学に限らず地球科学一般に、実態を知る上で現地をみるということは最も 重要である。そこでフィリピンやバヌアツに現地調査に行かれた森氏(京大防災研)と島川氏(NHK)に、防災の観点からと災害の実態を伝えるという視点から 話題提供をお願いした。一方でデータから最強の台風 の実態を知ることも重要である。台風のデータといえば、気象界で知らない人はいない「デジタル台風」 を開発・運営をされている北本氏(情報研)から、最強の熱帯低気圧について情報の観点からお話しいただく。また、「実態を知る」ということはシミュレーションを排除しているわけではない。全球あるいは領域の数値モデルを用いて、観測やデータ解析だけでは得られない情報を取り出すこともまさに実態を知ることになる。そのような視点で中野氏(JAMSTEC)と吉岡氏(名大地球水循環)に、それぞれのモデルから分かる“実態”についてお話しいただくことをお願いした。

プログラム:
「趣旨説明」
1. 森信人(京都大学防災研究所)「台風Haiyan とサイクロンPam による沿岸災害の調査と解析」
2. 島川英介(NHK社会部)「現地取材から見えてきたHaiyan とPam の実像」
3. 北本朝展(国立情報学研究所)「デジタル台風:熱帯低気圧の実感に向けたデータの文脈化」
4. 吉岡真由美(名古屋大学地球水循環研究センター)「サイクロンPam の高解像度シミュレーション」
5. 中野満寿男(海洋研究開発機構)「全球非静力学モデルで迫るPam の”実態”」
コメンテーター:小山亮(気象研究所)「台風HaiyanとサイクロンPamの強度推定について」

連絡先:坪木和久(名古屋大学地球水循環研究センター)
E-mail:tsuboki@rain.hyarc.nagoya-u.ac.jp(@は小文字にしてください)

 気象災害委員会との共催研究会

「平成27年9月関東・東北豪雨及び洪水災害」に関する研究会
日時:平成27年10月27日(火)(秋季大会前日)
    1810〜1940(メソ気象研究会終了後)
場所:キャンパスプラザ京都5F第1講義室←メソ気象研究会と会場が異なります アクセス
(京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939)

1810〜1815 藤谷徳之助(気象災害委員会担当理事)「趣旨説明」
1815〜1830 加藤輝之(気象研究所)「平成27年9月関東・東北豪雨の概要と気象庁の対応・予報結果」
1830〜1845 津口裕茂(気象研究所)「平成27年9月関東・東北豪雨の発生要因について」
1845〜1915 芳村 圭(東京大学大気海洋研究所)「平成27年9月関東・東北豪雨による鬼怒川洪水に関する調査」
1915〜1925 コメント 坪木和久(名古屋大学宇宙地球環境研究所)
1925〜1940 「総合討論」 司会 藤谷徳之助


連絡先:藤谷徳之助(国立環境研究所地球環境研究センター内地球温暖化観測推進事務局)
E-mail:fujitani.tokunosuke@nies.go.jp(@は小文字にしてください)